当会の理念


当会は、「部」でも「同好会」でもなく、『研究会』と名付けました。
それは何故なのか、以下に説明させて頂きます。


『大きな夢を汚す人間には近づくな。
 たいしたことない人間ほど人の夢にケチをつけたがるものだ。
 真に偉大な人間は自分にも成功できると思わせてくれる。』
(マーク・トウェーン)


私にとっての居合道の探究は、自らの学問的研究テーマの一つとなっています。
好き勝手書いちゃいますが、私の目指すところの居合道は、

「理合」・「位」・「技」・「気迫」 の融合体

です。とんでもなく壮大な研究テーマです (^_^;)。
でも、昨年、私にこんなことをおっしゃった先生がいらっしゃいます。
「いしださん、居合は、“力学”と“運動生理学”と“心理学”の複合学だよ。」
深く感動しました。

あるとき、某テレビ局で、「異色のハイジャンパー」なる特集をやっていました。
大阪大学工学部(←たぶん)の学生で、来たるアテネ五輪出場まで“あと2センチ”。
得意の物理と数学を駆使して、バーを超えるための一番理想的な軌跡の式展開に成功したとのこと。
力学の放物運動(斜方投射)、三角関数、
常微分方程式、フーリエ級数展開・・・などなどを組み合わせた模様です。
あとは、自らの体を導いた軌跡通りに如何に正確に乗せるかが勝負。
朝から晩までの実験とレポートに追われながら、
日も沈んで真っ暗やみの中で、ただ一人、繰り返し繰り返し、
阪大グラウンドにて見えないバーに向かって跳び続ける姿が映されていました。

彼とは全然レベルが違いますが、不肖この私も、遥か昔の大学生の時、
居合と力学(私の場合は専門が建築振動工学なので、建築構造力学)
との相関の魅力に取り付かれました。

時を同じくして、ある時、ある居合道大会の決勝戦で、男性の方に負けました。
試合終了後、審判の先生のお一人(確か四国の八段の先生?)
が私のところへ来てくださり、こうおっしゃいました。
「男性と女性は、もともとの体の造りが違います。只今の勝敗は、ただそれだけの差でした。」
あの先生は、私に最上の賛辞を贈ってくださったのだと思います。
しか〜ぁし、この私は、その一言で焚き付けられてしまいました (^_^;)。

そもそも、その頃、試合に負けるたびに当時の師匠の松岡良高先生から、
「お前の居合は切ってるんじゃない、刀を“置きに”行ってるだけだ!」と叱られ続けており、
よ〜ぉし!こうなったら、切り下ろし じゃ絶対男性に振り負けないぞ!!!
というわけで、まずは刀を研いで随分と軽〜くし(よしよし!)、
筋トレをして、・・・ん?・・・ん?
相変わらず全然だめじゃ、なんか違ったらしい...(^_^;)。

で、その後、
3次元空間における重力加速度“g”と初速度を与える位置・タイミングなどなどを研究し、
今現在ぐらいのレベルの切り下ろしに至りました。
私の育ちの流派である新陰流の口伝体得の中
に、「物の落ちる早さ」とか「岩石落とし」ということばがありますが、
要は、そういうことのようですね...。
やはり古の人々は恐ろしく賢い!

当研究会の師範である岸本千尋先生から、
「自分の刀の特徴(長さ・反り・重さ・バランスなど)や癖を知り尽くしなさい。」と教わりましたが、何故それが必要不可欠なのかも良く理解できます。

というわけで、引き続き、居合を科学して行きたい、
という思いを新たにしている今日この頃であります。
それには、やはり、1に稽古、2に稽古、・・・ですね!

by 監督のいしだ


・人の粗探しは研究にあらず。
 人の良いところを探して勉強・研究する、
 ほんの些細なことも見逃さない観察力。

・気合の千本より理合の十本。
 理が形を生む。